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コラムコラム

ある活インタビュー 2019年3月29日

写真家・串田明緒さんに聞く、「撮影旅行にとって“歩くこと”の重要性とは」

写真家、文筆家にモデルというマルチな顔を持つ串田明緒さん。撮影のライフワーク「ごく身近にある“近くて遠い旅”」において、歩くことの重要性とは何か。歩くことで得られるワクワク感について、「ペダラトラベルシリーズ」の体感とともに語っていただきました。

「撮りたいものを撮る」ジャンルにとらわれないスタイル

──写真家を目指したきっかけを教えてください。

大学生のころ、文章を書こうとすると頭ばかりが膨らんでしまって、何も出てこないということがありました。そこで、「書を捨てよ、町へ出よう」と、街へ出てスナップを撮ったり、セルフポートレートを撮ったりしてみたんです。それから、撮影するだけで多くのことを一枚の中に体現してくれる写真というものに興味を持ちました。そのころの自分にしっくりきたんでしょうね。それ以来、写真を中心に活動するようになりました。その後はかえって文章も書きやすくなっていきました。写真を通した視覚体験を活かせるようになったからかもしれません。

写真をどうやって勉強しようか考え、まずはマガジンハウスに撮影アシスタントのアルバイトとして入りました。ちょうど、そのころ週刊朝日で著名な写真家の篠山紀信さんが『女子大生シリーズ』を手がけられていて、編集部の方に「(表紙モデルの)オーディションあるから受けてみたら」と勧められたんです。オーディションに受かり、撮影していただいたご縁もあって、その後よく撮影現場を見せていただけたので、写真技術そのものだけでなく、被写体へのアプローチなど実は一番大事なことを学ばせてもらいました。

──串田さんが撮影する作品は、どのようなジャンルですか。

あまりジャンルを意識してはいません。自分や周囲など身近なところから自然に導かれたもの、私的なご縁を大切にしています。撮ってみたいものを撮るようにしていて、人物もかなり撮りますが、いわゆるポートレートといった感じではなく、オリジナリティを出しつつジャンルにとらわれない撮影を行っしています。お仕事ならば、自分の目線と相手の目線を照らし合わせながら撮りたいなと思っています。

昨年(2018年)行った個展(串田明緖写真展 / Akio Kushida Photo Exhibition『Talking with the Horses –naked winter-』)では、青森の寒立馬(かんだちめ)をモチーフに撮影を行いました。これはとても自然な成り行きで、私が青森県八戸市の出身で下北半島は近しい土地だったんです。そもそも競走馬を撮ったり、自分でも乗馬をしたりするので、馬に親しみがあり、ワイルドライフは撮ったことがなかったのですが、八戸市の近くに天然記念物の寒立馬がいることを思い出し、撮影することにしました。

串田明緖写真展 / Akio Kushida Photo Exhibition『Talking with the Horses -naked winter-』より

──ご実家の近くということは、あまり撮影旅行という気分ではなかったのでしょうか。

それが、そうでもないんです。八戸市には高校生まで住んでいたんですが、それくらいの時期って学校と家の往復と、行っても友達の家や街の遊ぶところぐらいで。大人になって訪れると、ぜんぜん違う街という印象になっているんです。かなり新鮮な気持ちで訪れることができました。

八戸市で30年ほど営業している「ピーマン」という、かなり昭和テイストな喫茶店があったんです。たまたま、歩いていたら見つけたので入ったのですが、高校生の時はそんなことしませんよね(笑)。マスターのおじさんも面白い人だったのですが、そういった気になる人、モノに対するアンテナというのが、さまざまな経験を経て身についたのでしょうね。

カメラは撮影者のパーソナリティを表すもの

──撮影旅行で持ち歩くのは、どういったカメラですか。

私は車の運転もするのですが、ドライブしながら気になったところで停まって写真を撮るのも好きで、そういう旅では多少大きくて重いカメラでも大丈夫なので一眼レフとレンズを積んでいきます。ただ、ドライブ旅行では人との関わりが少なくなることもあって、街を歩きながら面白いと思った人や場所を撮影するほうが好きなんです。目的地を定めない、思わぬ出会いはとっても楽しい。撮影旅行ではとにかくたくさん歩くので、やや軽めのレンジファインダーカメラやミラーレスカメラのほうがいいなと思います。

そして、カメラはレンズが勝負だと思っているので、コンデジやスマホのカメラじゃダメなんです。レンズ交換のできる小型軽量のカメラというのが条件ですね。

──ほかにカメラにこだわりはありますか。

これは、みなさんのカメラ選びにも参考にしていただきたいことなんですが、デザインのいいカメラを持つようにするということです。もちろん格好だけではダメだと思うんですが、自分のテンションが上がるのはとても大事。やっぱりカッコ悪いカメラはカッコ悪いんです、よく撮れたとしても(笑)。

服でも、着やすいし肌触りもいいけど、カッコ悪いのは着たくないというのと同じです。そして自分がどういう人間で、どういうものを見て、なぜ今これがいいと思っているかをアピールしながら撮るという側面があるので、相手からどう見られているかも重要だと思っています。撮影者と被写体の関係性は、たとえその場限りであろうと写真に如実に現れるから。特に外国だと言葉の壁があるので、私という人間がどういう価値観を持っているのかというのは、見た目だけじゃなくてわりといろいろな部分に出ると思っています。

旅先では早朝か夕方に明るさと色を意識して撮ると良い

──旅先で撮影する際に、なにか気を付けていることはありますか。

「すいません、撮らせてください」って声をかけて撮った写真は、あまりおもしろくない。だから、相手に撮られるのが嫌だって思わせない独特の空気感を出すようにしています。それは相手が子どもだろうが大人だろうが、男性だろうが女性だろうが。撮影していて、途中で気づかれても相手が撮られてもいいと思ってもらう。「だって素敵だなって思ったから(撮っているんです)」という空気を出すという感じです。そうすると相手も「じゃあ、いいよ」ってなる。

ただ、どうしても難しそうだなって時ももちろんあります。素敵なカフェで、素敵な人たちが働いているけど、撮影は難しそうだとか。そんな時は、とりあえず入って食事したり飲んだりしてから徐々に撮り出すとか。いろいろなアプローチがありますね。

──友達や家族で旅行に出かけた時、記念写真よりも少し工夫した写真が撮りたい場合はどうすればいいですか。

明るさと色に気を付けるだけで、写真の印象は大きく変わると思います。春から初夏にかけて、いろいろな花や新緑を撮影すると思いますが、なんか暗い写真になってしまったりするのは、実は樹を見上げて空に向かって逆光で撮ってしまっていたりします。ただ、逆光で撮っても明るくすると空気感が出たりするので、とにかく明るさと色に気をつけて。

あとは光を意識すると写真が突然良くなると思います。たとえば料理の写真を撮る際も、なるべく自然光で綺麗に光が回っている時に撮れば美味しそうに見えますよ。

スナップ写真のカメラ講座などで女性から上手く撮れないと相談されるのですが、そんなときは「とにかく朝早くか、夕方に出かけましょう」とアドバイスしています。旅行先でも、早朝か夕方に撮るようにすれば光が斜めから当たるので、物が立体的になってだいたい綺麗に撮れるんです。それが一番簡単な撮影テクニックだと思います。

ペダラトラベルシリーズは、長時間歩いても快適

──串田さんは撮影旅行の時、靴をどうされていますか。

旅行の時は必ず靴を2足持っていくようにしています。撮影の時に履く靴と、リラックスしたりホテルで食事に行く時に履く靴といった使い分けをしています。だから重くてかさばる靴は困るんです。軽くて梱包できるタイプを選んでいますね。

──「ペダラトラベルシリーズ」を体感した印象はどうですか。

いきなりペダラトラベルシリーズを履いて、白金台の東京都庭園美術館に展示を観に行きました。昔そのあたりに住んでいたので、白金台から渋谷まで“想い出旅行”したんです(笑)。私は美術館が好きで、旅行先でも訪れて2時間ぐらいは展示を観ながら滞在するんですね。そうするとヒールなどを履いていると足に負担を感じてしまう。

ペダラトラベルシリーズのシルバーを履いていったのですが、けっこう展示が多かったのにとても快適で、カフェで少しお茶を飲んで、また観に行ったくらい。2時間ほど美術館に滞在して、そのあと渋谷まで1時間くらい歩いて。普通、おろしたてのシューズでたくさん歩くのは躊躇しますが、大丈夫でした。実際、階段の上り下りがたくさんある美術館でも足への負担が少なかったので、渋谷まで歩いちゃえって(笑)。

──それはペダラトラベルシリーズの軽さによるものですか。

もちろん軽さもありますが、でも軽ければいいってものではありませんよね。じゃあサンダルで長時間歩いても大丈夫かというと、そんなこともないですし。ペダラトラベルシリーズには長く歩くための機能が搭載されているからだと思います。

ペダラトラベルシリーズを、いろいろな衣装と合わせて試してみています。楽で健康的な靴だから履いているんだなって思われるのは嫌なので、どんな洋服に合わせればカッコよく履けるかというコーデを考えています。

──最後に、これから串田さんの撮影旅行にとってペダラトラベルシリーズはどんな存在になりそうですか。

今後、撮影旅行に履いていくか、カバンに忍ばせていくか、どちらにしても活躍してくれるシューズになると思いますよ。特に海外旅行では軽さが大事ですし、ヨーロッパの街は石畳の道も多いけど、快適に歩けるでしょうね。一日、撮影を頑張れるんじゃないでしょうか。

人間って、外的なマイナス要因に弱い生き物だと思うんです。寒いとか暑いとか、そういうマイナス要因があると集中力を欠いてしまいます。撮影って仕事に限らず、とても集中力が必要な行為で、なるべくマイナス要因を排除するという意味ではペダラトラベルシリーズは良いと思います。

▽ペダラトラベルシリーズをチェック
https://walking.asics.com/jp/ja-jp/mk/travel

串田明緒 くしだ・あきお
写真家・文筆家・モデル

青森県八戸市出身。日本大学藝術学部卒。出版社で撮影アシスタントのアルバイトをしていた在学中、『週刊朝日』表紙モデルとなり、同時に写真家・篠山紀信氏が女子大生たちを撮る光景を撮影、文章を執筆。以降、写真を独学で学びながら、表現者たちのさまざまな現場に溶け込み、自身の作品を紡いできた。舞台や映画のメインビジュアルを多数手がけ、エッセイも綴る。著書に『拝啓 平成中村座様』(世界文化社)、『わたしの上海バンスキング』(愛育社)など。国内外で個展開催。

2016年8月、イギリス・オックスフォード大学内 Pitt Rivers Museum に作品永久収蔵。

所属:ナウ.ファッション.エージェンシー(プロフィール
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